ノーザン・ソウル
ソウルをバックに踊り狂う若者たちの音楽への愛と、どこにも行けない切なさ。2人のDJを主人公とした青春映画で、ソウルというジャンル名そのままに、魂に直接語り掛けてくる音は必聴。本作はノーザン・ソウルという実際にあったムーヴメントを元ネタに作られている。この文化から現在のクラブカルチャーで見られるレア盤信仰が生まれていったという。
どうしてストーン・ローゼズを筆頭にマッドチェスターの面々は、ソウルなビートを用いたのか。実はこのノーザン・ソウルがマンチェスターに存在したからだった!映画の雰囲気は『トレイン・スポッティング』に近いところもあるので、そのイメージで好きか嫌いかを判断してもらえるとわかりやすい。
心が叫びたがってるんだ
音楽好きの方々もノーマークであろうアニメ映画を紹介したい。なんとBGMの編曲は2000年代に独自の音楽性を切り開いていったバンド・クラムボンで作曲を担うミト。
ミュージカルでは定番のクロス・メロディ(二つの曲を同時に歌う)が熱い。そのミュージカル用に書いた曲を交差させるのと、元々ある歌でクロス・メロディを作るのでは難易度が桁違いだろう。まさかその2曲を合わせるとは!ミトすごい、となること間違いなし。
クロス・メロディが分かりやすいのがこちら。アナのテーマである”For The First Time In Forever”が、後半でエルサのテーマである”Let It Go”のBメロへと切り替わり、最後には同時に歌われるようになる。
8 Mile
サウンド・オブ・ノイズ
アイスと雨音
『バイプレイヤーズ』の監督が、HIPHOPユニットMOROHAと組んで作った作品。なんとTwitterで100時間だけ役者の募集をかけ、たった2週間で制作したという逸話が残る。しかも74分ワンカットなのに、出演者のほとんどが10代で、一人は演技未経験という状況だ。一度のミスも許されない緊張感の中で、MOROHAも生演奏。2018年に観た映画では一番だった。これが青春なんだ。
ピッチ・パーフェクト
ああ爆弾
鬼才・岡本喜八監督が1964年に送り出した、ヤクザが主人公の和製ミュージカル。過剰にコミカルかつシュールでついつい笑ってしまう。登場人物ごとに邦楽・洋楽・能が使い分けられて流されるという衝撃的な構造で、激しく踊りだしたくなるシーンから、さながらすゑひろがりずのお能ギャグまで!イヨォォォ!という能特有の掛け声も、洋楽と交互に聞くと笑いに転じるという60年代の発見。またカット割りや表現、表情で魅せる演技も素晴らしく、日本映画独自の表現を目指していたことが伺える快作。
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