【音楽好き必見】音楽がテーマの傑作映画をいくつか紹介したい

音楽×映画、数ある作品の中から音楽ブログを運営する筆者オススメの作品をいくつか紹介したい。どの作品も面白いアイデアが見られる。

ノーザン・ソウル

経済が底なし沼に沈んだ70年代イギリスの地方都市を舞台に、未来に希望を見出せない若者たちがソウルと出会い、トップDJを目指していく物語

ソウルをバックに踊り狂う若者たちの音楽への愛と、どこにも行けない切なさ。2人のDJを主人公とした青春映画で、ソウルというジャンル名そのままに、魂に直接語り掛けてくる音は必聴。本作はノーザン・ソウルという実際にあったムーヴメントを元ネタに作られている。この文化から現在のクラブカルチャーで見られるレア盤信仰が生まれていったという。

どうしてストーン・ローゼズを筆頭にマッドチェスターの面々は、ソウルなビートを用いたのか。実はこのノーザン・ソウルがマンチェスターに存在したからだった!映画の雰囲気は『トレイン・スポッティング』に近いところもあるので、そのイメージで好きか嫌いかを判断してもらえるとわかりやすい。

心が叫びたがってるんだ

言葉を失った少女が、学園祭でミュージカルの主役をやることに…?

音楽好きの方々もノーマークであろうアニメ映画を紹介したい。なんとBGMの編曲は2000年代に独自の音楽性を切り開いていったバンド・クラムボンで作曲を担うミト。

ミュージカルでは定番のクロス・メロディ(二つの曲を同時に歌う)が熱い。そのミュージカル用に書いた曲を交差させるのと、元々ある歌でクロス・メロディを作るのでは難易度が桁違いだろう。まさかその2曲を合わせるとは!ミトすごい、となること間違いなし。

Kristen Bell, Idina Menzel – For the First Time in Forever (From "Frozen"/Sing-Along)

クロス・メロディが分かりやすいのがこちら。アナのテーマである”For The First Time In Forever”が、後半でエルサのテーマである”Let It Go”のBメロへと切り替わり、最後には同時に歌われるようになる。

8 Mile

母と妹とトレーラーハウスで暮らす白人青年を主人公が、黒人にしかラップは出来ないという先入観を乗り越えていく物語。
これは超有名作で、HIPHOP好きの方はぜひ見て頂きたい。なんと主演が世界一売れたラッパーことエミネム。しかも演技が上手い、そもそも声が良い。ストーリーも彼の半自伝的な作品で、彼無くして本作は誕生しなかったはず。ラップ・バトルシーンは魂を震わせるし、全編に通じて見られるメイク・マネーの美学がカッコいい。

サウンド・オブ・ノイズ

これは音楽テロリストの物語。突如街に表れた謎の6人組は、とんでもない場所に押し入り、その場の物全てを楽器に見立てて音楽を演奏する。音楽嫌いの警官・アマデウスは彼らを捕まえることが出来るのか?
発想の時点で面白いのが伝わるだろうか。北欧のノイズミュージックが好きな人は絶対に観た方が良い。往々にして芸術に理由が無いことと同じく、この映画にもストーリーと呼べるものがほとんどないのはご愛嬌。美しく、新しい演奏をぜひ目にしてほしい。

アイスと雨音

小さな町での演劇公演、オーディションで選ばれた少年少女たちは劇の本番に向けて日夜練習していた。しかしある日、その劇の中止が決まって…。

『バイプレイヤーズ』の監督が、HIPHOPユニットMOROHAと組んで作った作品。なんとTwitterで100時間だけ役者の募集をかけ、たった2週間で制作したという逸話が残る。しかも74分ワンカットなのに、出演者のほとんどが10代で、一人は演技未経験という状況だ。一度のミスも許されない緊張感の中で、MOROHAも生演奏。2018年に観た映画では一番だった。これが青春なんだ。

MOROHA出演!若手の演技がすごすぎる青春活劇『アイスと雨音』
『バイプレイヤーズ』や『アフロ田中』などで有名な松居大悟監督が、若手俳優とMOROHAを集めて作った『アイスと雨音』をレビュー。少年少女を捉えた一発撮りの青春活劇を目撃せよ。

ピッチ・パーフェクト

伝統を重んじるあまり、イマイチパッとしないガールズアカペラ部に、多くの癖が強い新入生が入部。彼女たちがもたらした変革が、アカペラ部を思いもよらぬ方向へと運んでいく…?
この映画は曲のアレンジが良すぎるし、曲もブルーノ・マーズみたいな最近のものが使われている。同じアカペラでも「GLEE」と違って恋愛要素が薄めなのも熱い。とにかくキャラクターの個性と、それに噛み合った歌唱が素晴らしいのだ。そして主人公が可愛い、素直に応援できてしまう。楽しい気持ちになりたいときは絶対にこれ。

ああ爆弾

ヤクザの組長・大作が3年の刑務所暮らしを終え子分たちの元へ戻ると、矢車という政治家に乗っ取られていた!怒りに燃える大作は万年筆を爆弾に改造して暗殺を試みるが…?

鬼才・岡本喜八監督が1964年に送り出した、ヤクザが主人公の和製ミュージカル。過剰にコミカルかつシュールでついつい笑ってしまう。登場人物ごとに邦楽・洋楽・能が使い分けられて流されるという衝撃的な構造で、激しく踊りだしたくなるシーンから、さながらすゑひろがりずのお能ギャグまで!イヨォォォ!という能特有の掛け声も、洋楽と交互に聞くと笑いに転じるという60年代の発見。またカット割りや表現、表情で魅せる演技も素晴らしく、日本映画独自の表現を目指していたことが伺える快作。

今後も追加していくので、ブックマークをオススメします。

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